アメリカと中国の関係が改善し始めたのは、ニクソン政権の時のキッシンジャー国務長官が訪中してからであり、以後はアメリカと中国は米ソ対立がある中でも建前上は友好関係が続いている。アメリカと中国が特に経済的に結びつきが強くなったのは、93年に誕生したクリントン政権からであり、アメリカのみならず日本からも中国にサプライチェーン企業が進出し始め、今や日本の家電メーカーも、部品は日本で作るが、組み立ては中国で行い、それを逆輸入するといった状態になっている。アメリカはクリントン政権のグローバル化拡大の名のもとに、当時人件費の安かった中国へ企業進出し始め、今日はアメリカと中国は経済的には関係はずぶずぶといえるくらいのものとなっている。一時期は米国債も350兆円近く中国政府が所有していた時期もあったが、2015年のチャイナショック以降、ドルを売って元を買い支えるという為替介入を中国が行っているので、この額は減っていると統計が出ている。こうしたアメリカの対中政策は経済的結びつきで相手の懐に深く入っていくということが中心だが、もう一つ必要なのは、日本や韓国、台湾、フィリピンなども含めた封じ込めではないだろうか。実際に経済的結びつきを強くした中で、経済的に相手を封じ込めるというのは理論上不可能であり、これは安全保障面で中国の軍事力の上をアメリカが常に上にいっている状態を作っていくという意味にとらえた方がいいであろう。今世界の目が北朝鮮に向いているが、米中衝突はいつかあるかもしれず、資本主義、民主主義、自由主義国のアメリカが、社会主義、全体主義、統制経済国の中国といつまでもうまく関係が続くとは思わない方がいいだろうし、日本も有事の際には自衛隊を派遣する必要が出てくるかもしれないので、国民にはいざという時の覚悟が必要であろう。

アメリカはお国の財政事情の悪化で、世界の警察官足りえないというのがこのブログのテーマであるが、アメリカの財政赤字は2000兆円を超え、GDP1800兆円と比べれば、日本よりは財政事情はいいであろうが、これらの財政赤字はイラク戦争とリーマンショックで増えていったものである。今世界を見渡して安保危機にある国は、北朝鮮、中国問題を抱える東アジアと、イラン、シリア問題を抱える中東地域、対ロシア問題を抱えるウクライナ地域といったところだが、アメリカはここまで財政赤字が大きいと、世界の二つの地域で同時に戦争を起こす力は今はないと見た方がいいだろう。今のアメリカはとりあえず北朝鮮の金正恩のミサイル実験と核実験をやめさせることが第一目標であり、アメリカ本土に届く核ミサイルが管制する兆しが出てきたら、場合によっては先制攻撃で北朝鮮をたたく可能性があることを、先の国連演説でトランプ大統領は演説した。アメリカにとっては北朝鮮の背後にいる中国や、中東の問題国イランの存在も厄介で、これらの問題を同時に解決するにはカネがかかりすぎるというのが正しい見方だろう。第二次大戦が終わったころのアメリカなら、世界経済に占めるGDPの割合は今よりもずっと大きく、世界中の地域に米軍を展開することも可能だったかもしれないが、今のアメリカにはその力はない。アメリカは北朝鮮問題一つ解決するのにも必死で、日本にも協力を求めてくるので、我々も有事の際には自衛隊を出すのか出さないのか、覚悟を決める必要があるであろう。

インドは人口12億人を数えるマンパワー国であり、なおかつ経済成長率も7%台とかなり高く、将来的にはGDPも世界一になると予測されている国家である。こうしたインドは社会主義国として世界一成功している中国にとって脅威となるであろう。中国にとって南アジアの大国家としてインドの台頭は、中国にとっても巨大な資本主義勝自由主義国が背後から中国を牽制しているという意味で面白くないであろう。こうしたインドの経済成長に対して、中国は隣国のパキスタンやアフガニスタン、イランと接近しているのが現状であり、これらは明らかにインドに対する牽制と、将来的に中国が中東からアフリカ大陸に進出する布石を打っていると見ていいであろう。中国としては虚断経済圏構想があり、俗にシルクロード経済圏と呼ばれるものであるが、インドに対してはその人口規模と将来的には中国を抜くと考えられる経済規模で自由にならないという思いも強いので、周辺国にインドに対する中国の防波堤を作ってもらうというのがこの西アジアの三角地帯国家であるといえるだろう。インドはすでに核兵器を所有している国なので、中国にとっても日本に対する脅しのようなわけにはいかない面もあり、今後この中国を日本は経済パートナー、軍事パートナーとして有効的な関係をもっと深めていけば、中国に対する牽制となり、日本の経済や安全保障にとっても重要な役割を果たすであろう。

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