日本を取り巻く、極東、東アジア情勢を客観的に見てみると、まずは北朝鮮の数百発のミサイルが日本の主要都市に向けて配備されていることと、さらには中国もまた核ミサイルを日本に照準を向けて配備しているということがいえ、日本の安全保障は、北朝鮮と中国といった共産主義国を代表する二国によって脅かされているといえる。人民解放軍は200万に近くおり、日本の自衛隊の20万人のおよそ10倍である。今の戦争はランドパワーよりも、ミサイル攻撃や、宇宙戦争、サイバー戦争といったたぐいのものが主流になってきているので、単純に核兵器を保有することがイコールそのまま自国防衛力を高めることにつながるとはいえないが、少なくとも日本にミサイルを撃ち込ませることは阻止できるので、日本がアメリカから離れて、武装独立するには核兵器の保有ということが前提になってくるであろう。現実の国際政治は日本と中国のバランスオブパワーは、中国に圧倒的に優位な状況なので、ここで日米同盟が有効に機能してくることになる。日本は武装独立するには、毎年の軍事予算5兆円はあまりにも少ないだろうし、日本が本当に武装独立するには、核武装が必要だが、これはアメリカが許さないと考えていいので、今のところはアメリカとの同盟を重視しながらも、徐々に日本独自で国防力を強化していくというのが順当な考えではないだろうか。少なくとも北朝鮮のミサイル基地を狙撃する能力や、ミサイルが日本に飛んでくる場合に迎撃するシステムももっと強化するべきだし、先制攻撃もできるように、憲法9条は改正するべきであろう。北朝鮮問題の次はいよいよ中国問題がピックアップされてくるので、それに備えて国防力を大幅に増やしておく必要があるだろう。

今の国際政治を鳥瞰してみると、一番きな臭いのは明らかに朝鮮半島情勢であり、北朝鮮問題であろう。アメリカのトランプ大統領はティラーソン国務長官を解任する可能性が出てきており、着々と戦争の準備に入っているとみていいだろう。こちらの極東問題に対して、一方で中東地域から西アジア地域にかけての混乱もある。中東ではIS問題がだいぶ収束してきたが、シリア問題やイランの核開発問題、そして慢性的なイスラエルとパレスチナ問題など、まさに世界の火薬庫となっている。この背景にはイスラム教徒キリスト教の対立があり、共に一神教の教えが両文明の対立を招いているといえるであろう。また直接の国際情勢の悪化の原因は、アメリカのイラクからの米軍50万人の撤退であり、この中東からごっそり米軍が抜けたことにより、中東のみならず、西アジア、ウクライナなどの中央アジア情勢、中国、北朝鮮問題と、世界中にその火種が飛び火しており、やはり米軍のミリタリーパワーが中東からごっそり抜けてしまったことが多くの混乱を招いているとみていいだろう。北朝鮮と中東情勢は一見関係ないように見えて、実は米軍のユーラシア大陸におけるバランスオブパワーが崩れたという点では、両社はつながっているのである。米軍はアメリカの財政事情から、ユーラシア大陸の二つの地域で同時に戦争する力を失っており、中東か北朝鮮かを選ばなくてはいけないだろうし、まずは北朝鮮が喫緊の課題として、アメリカを始め、日本や韓国、台湾やフィリピンなどに襲いかかってくるであろう。

アメリカは国連決議で、北朝鮮に対する経済制裁案をすでにとっているため、世界中の国が北に対して経済制裁をすでに行っている状況である。しかし国連五大国の、ロシアと中国に配慮したかたりでの決議であったために、ややアメリカが譲歩した形の決議となった。現在北朝鮮を一番経済的に支えている国は、中国であり、この中国は遼寧省から入ってきた石油50万バレルと北に輸出しており、中国と北朝鮮の間にはパイプラインが引かれている。北朝鮮が核兵器とミサイルを放棄するには、なお一層の経済制裁が必要だが、中国としては、核兵器が放棄された後には米軍の軍事侵攻が容易になるため、北朝鮮が地上から無くなるのもまた困るので、経済制裁を行わない可能性が高いといえる。要は中国は世界中の目が同じ共産主義国の北朝鮮に向いているうちに、自国の経済力と軍事力を高めて、アメリカに何とかして規模だけでも追いつきたいというのが思惑であり、そのためには北朝鮮を長期利用するというのが都合がいいであろう。北朝鮮が核兵器とミサイル兵器を放棄しないうちは、日本や韓国をいわば核ミサイルで人質にとているようなもので、アメリカに対しても北は強圧的な態度に出れるということが、アメリカが軍事行動をなかなかとれない理由である。日本に必要なのは自国の防衛拡大であり、今回国防予算が過去最大のものとなったが、こちらの方は安倍総理のさばき方は非常にうまいといえ、経済の方で日本が失速し、結果国防予算が削られるという事態になったら困るので、安全保障に関しても、消費税の増税は行ってはいけないといえるだろう。

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