カテゴリ: 南アジア政治

インドは人口12億人を数えるマンパワー国であり、なおかつ経済成長率も7%台とかなり高く、将来的にはGDPも世界一になると予測されている国家である。こうしたインドは社会主義国として世界一成功している中国にとって脅威となるであろう。中国にとって南アジアの大国家としてインドの台頭は、中国にとっても巨大な資本主義勝自由主義国が背後から中国を牽制しているという意味で面白くないであろう。こうしたインドの経済成長に対して、中国は隣国のパキスタンやアフガニスタン、イランと接近しているのが現状であり、これらは明らかにインドに対する牽制と、将来的に中国が中東からアフリカ大陸に進出する布石を打っていると見ていいであろう。中国としては虚断経済圏構想があり、俗にシルクロード経済圏と呼ばれるものであるが、インドに対してはその人口規模と将来的には中国を抜くと考えられる経済規模で自由にならないという思いも強いので、周辺国にインドに対する中国の防波堤を作ってもらうというのがこの西アジアの三角地帯国家であるといえるだろう。インドはすでに核兵器を所有している国なので、中国にとっても日本に対する脅しのようなわけにはいかない面もあり、今後この中国を日本は経済パートナー、軍事パートナーとして有効的な関係をもっと深めていけば、中国に対する牽制となり、日本の経済や安全保障にとっても重要な役割を果たすであろう。

中国での一帯一路会議が閉幕し、中国はシルクロード経済圏を推し進めていくことが各国と確認された形となったが、この会議にはインドは参加しなかったという。それはインドとパキスタンが以前からカシミール地方を巡って、対立しており、両国とも核保有国であることが客観的な事実である。なおかつインドは人口12億人で、経済成長7%と将来的には世界一の経済大国になることが予想されており、中国はこうしたインドの成長に脅威を感じているはずであって、そのためにパキスタンの方を経済援助しているといったことが、日々の情報の中でわかることである。中国としてはインドを背後からついてくれるパキスタンを重要視しており、そのために様々な支援をしているのであって、相当インドを意識しているといっていいであろう。インドと中国は今はまだ中国の方が圧倒的に経済発展が進んでいるが、いずれインドの方が中国を追い抜くことが予想されており、これはインドが中国と違って、自由主義国兼民主主義国であることの力が大きいといえるであろう。日本にとってもインドのこうしたマンパワーと経済成長力、自由主義や民主主義といった価値観を同じくすることは非常に重要であって、今後はインドとロシアとの関係が、対中国包囲網を作っていくことなどからも重要であるといえるであろう。中国と日本の東アジアにおけるバランスオブパワーは、中国の方が経済力も軍事力も上回っており、それらをバランスある均衡のものとしていくためにも、日米同盟、さらにはインドやロシアとの軍事同盟の必要が新たに重要になってくるといえるであろう。実際の国際政治では、インドやロシアとの同盟はアメリカが存在する以上、実際には難しいといえるが、少なくとも理念上はそうした構想を持つべきであり、条約は結べなくても、人間関係の信頼性などによって、信頼関係の構築は可能であり、何か有事があった場合にはインドやロシアとも連携してことを考えるべきであろう。

日本の安全保障を脅かす存在として、中国と北朝鮮の存在がある。北朝鮮はすでに水爆実験まで成功していると言われており、その水爆を核ミサイルとして日本に発射されたら、日本国民の生命と安全は一瞬にして破壊されるであろう。またその北朝鮮を背後から操っているのが、中国である。これらの軍事大国と渡り合うには、日本の味方を増やしていく必要があろう。その代表的な国が、エネルギー大国のロシアと、経済成長著しいマンパワーの国インドである。これら二つの国と協力して中国包囲網を構築していくことこそが、日本の安全保障にとって最も大事なことであり、それプラスASEAN諸国と台湾が重要なパートナーとして、日本の安全保障を考えるうえで大事になってくる。日本はエネルギー問題一つとっても自前で生産できない国なので、ロシアのようなエネルギー大国との同盟関係は大事になってくる。アメリカとロシアの関係悪化に苦しむことになるとは思うが、そこを突破するのが、日本独自の軍事力であり、責任ある安全保障であろう。

今アメリカは、世界で三つの地域で軍事的アクションを伴う、紛争地域を抱えており、その一つが中東であり、イラン問題である。イランの核開発疑惑はイスラエルが存在する限りつきものだが、そのイランの防波堤になっていたのがサダム・フセインのイラクであった。そのイラクを武力で倒したアメリカはその後オバマ大統領になってからイラクから米軍を撤退させるという誤った戦略をとったため、ISなどの脅威にイラクはさらされている状況である。アメリカの重要な同盟国、そして南アジアの中心国として今後インドという国が経済力をつけてくると思われる。すでにインドは経済成長率は二年連続で7%以上と驚異的な勢いを見せており、なおかつ人口も12億人とマンパワーだけでも中国に並ぶ大変重要な役割を担うと思われる国であり、なおかつ民主主義国家という日本と価値観を共有する重要な国である。そのインドの背後をつく存在としてパキスタンのタリバン政権がある。もともとインドとパキスタンはカシミール地方を巡って、核開発で派遣を争ってきたのだが、中国としてはマンパワーも経済力もあるインドを封じ込めたいという思いから、習近平のパキスタン訪問などもちらほらと新聞記事に載っている。このイランとパキスタン、さらにはアフガニスタンの三つの勢力が結びついて、インドの背後を脅かす存在となることが、この地域の安全保障の憂慮すべきことであって、この死のトライアングルともいえる三つの国を中国が利用する可能性が十分考えられるので、今後はインドという国への国際的役割が相当増してくるだろう。民主主義と自由を守る砦のような存在にインドはなっていくだろう。

今後成長が期待される国としては、インドが挙げられる。インドの重要性はますます重要になってきており、中国へのにらみなどその役割は非常に大きい。いわゆる不安定の弧と呼ばれる中国から中東にかけてのエリアで、民主主義国で経済成長率も著しいインドがその間にあるというのは日本やアメリカにとっても意義は大きい。インドは今モディ首相のもとで経済改革が進んでおり、成長率も中国並みに高い。最も中国の統計は信用できないが、インドの方は本当に6%以上の成長率を誇るのでここのところは両国で全然信用が違う。タタモーターズなどの大手企業も育ってきており、経済成長はますます期待できる。不安定の弧の中に大きく存在感を放つインド、ロシアとともに中国を背後からにらんでくれているので、日本にとっての存在意義はますます大きい。経済成長率も非常に高く今後発展が期待できる国だけに有効な関係を築いていきたい国である。

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